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B型事業所の実態と意義を考える――如月あいさんの発信から見えること【ニュース紹介18】

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今回取り上げるニュースとその概要

この記事について

「B型事業所」(就労継続支援B型事業所)は、制度として広く存在しているにもかかわらず、その実態や役割は十分に知られていない。

「工賃の低さ」ばかりが注目される一方で、病気や障害の当事者にとって安心して働ける場としての価値は、まだ社会に伝わりきっていないように感じる。

そこで今回は、如月あいさんのインタビュー記事を手がかりに、B型事業所の現在地を整理しながら、私自身が感じたことをまとめた。

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今回取り上げるニュース

【漫画】うつ病で働けない…絶望の中で出会った「B型事業所」 “自分らしく働ける場所”に「知ってもらいたい」 | オトナンサー
インスタグラムで公開されている如月あいさんの漫画が「私も同じです!」と話題に。そこで、作者に話を聞きました。
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ニュースの要旨

  • うつ病を発症し働けなくなった如月あいさんが、「B型事業所」という働き方に出会った体験を漫画で描き、SNSで共感を集めている。
    • 精神疾患を抱える人にとっての新たな選択肢として、多くの「私も同じ」「通っています」という声が寄せられている。
  • B型事業所は、穏やかな環境で自分のペースに合わせて働ける場であり、如月さん自身も「とても快適」と語っている。
    • 絵を描く仕事が自分に合っており、スタッフや利用者との関係性も安心できるものだったという。
  • 如月さんは、B型事業所の知名度の低さを課題と感じ、精神疾患のある人に知ってもらいたい」という思いから漫画を制作した。
    • 制度や手続きの大変さもある中で、事前に情報を得られたことが継続につながったと振り返っている。
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補足:「B型作業所」とは?

ニュースの内容を理解しやすくするために、ここで「B型事業所」の概要を簡単に整理しておく。

ここでいう「B型事業所」とは、正式には「就労継続支援B型事業所」といい、心身に障害があり、雇用契約に基づく就労が難しい方に向けた就労や生産活動の場である。中には、「B型作業所」という人もいるかもしれない。

詳しくは以下の記事で解説している。ぜひあわせてご覧いただきたい。

就労継続支援B型事業所とは?利用者・仕事内容・役割・メリットについて【元職員が解説】
就労継続支援B型事業所(B型作業所)の仕組みや仕事内容、メリット・役割・利用者像を、元職員の経験を交えて解説する。
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「福祉ウォッチャーT」筆者の意見

以下では、ニュース記事を踏まえて私が感じた次の2点について、それぞれ述べる。

  1. B型事業所での作業も様々あって良い
  2. B型事業所に関する正しい理解が広まることの重要性
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1. B型事業所での作業も様々あって良い

まず、B型事業所で提供される作業の幅が広がることは、当事者にとって大きな意味を持つ。

仕事の向き・不向きは、病気や障害の有無に関わらず、人によって異なる。よって、病気や障害がある方も、それぞれ向いている仕事がある。

ところが、B型事業所を利用するような病気・障害当事者の中には、以下のような経験をした方もいるのではないか。

  • 「希望する作業がなく、我慢しながら通っている」
  • 「やりがいのある作業が少ない」

もし、B型事業所が提供する作業の幅が広がれば、このように思う当事者が減るだろう。

如月さんは、B型事業所で、絵を描く作業をされているとのことである。以前のB型事業所のよくある作業といえば、簡単な清掃作業や軽作業という印象だった。

それでも近年は、描画や動画作成などの「クリエイティブな作業」に取り組む事業所が確かに増えている。

今後もB型作業所で行う「作業の多様化」をぜひ進めてほしい。

「このやり方なら病気や障害を持つ方も十分できる」

という作業が、実はまだまだあるのではないか。

「就労継続支援事業における生産活動の活性化に関する調査研究 調査報告書」p22によると、就労継続支援B型事業所で取り組んでいる生産活動は、「軽作業」(60.2%)、「清掃」(28.6%)、「雑貨製造」(20.3%)などである。

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2. B型事業所に関する正しい理解が広まることの重要性

もう1つは、正確な情報に基づいて、B型事業所に関する「社会的理解」が深まってほしい、ということである。

ニュース記事によると、B型事業所について、如月さんは当初

「利用者に支払われる工賃が一般企業の賃金より少ないこと」

しか知らなかったとのことである。

確かに、B型事業所工賃の低さは、障害福祉関係者や病気・障害の当事者・家族であれば、知っている方もいる。(参考文献)

これはすでに行政も課題として認識しており、工賃引き上げの取り組みが進められている。

厚生労働省(発行年不明)によると、令和6年度(2024年度)の就労継続支援B型事業所の平均工賃は、月額24,141円(対前年度比106.6%)だった。

だが、B型事業所には、他にも特徴がある。それぞれの事業所ごとに異なるものの、例えば、次のようなものが挙げられる。

  • 利用者それぞれの病気・障害特性に応じた手厚い配慮を提供する。
    • 一般企業や「A型事業所」(就労継続支援A型事業所)よりも配慮がなされる傾向がある。
  • 社会参加が難しい一部の当事者にとって、地域社会での「居場所」として機能している。
    • 例えば、重い知的・精神障害の方や、ひきこもり経験者を受け入れる事業所もある。
  • B型事業所から、A型事業所・就労移行支援事業所・障害者雇用(一般企業)につながる人もいる。
    • 利用者の今後の「ステップアップ」を応援する。

私はB型事業所について、「工賃が安い」というネガティブな情報だけではなく、「就労が困難な方にとっての『活躍の場』『受け皿』になっている」というポジティブな情報も、より社会に広まって欲しい。

そうなれば、病気・障害当事者にとっても、より自らに合う形の就労につながるはずである。例えば、以下のように感じる方が増えるかもしれない。

  • 「自分自身は『働くのは無理』だと思っていたけど、B型事業所なら働けそう」
  • 「ひきこもっているけど、できる作業をしながら過ごせるB型事業所を探そう」
  • B型事業所をうまく活用して、今後A型事業所に移行できることが分かった」
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まとめ

この記事では、「B型事業所」(就労継続支援B型事業所)についての漫画を描いた如月あいさんのインタビュー記事を踏まえて、以下の2点をまとめた。

  1. B型事業所で行う作業の多様化
  2. 正確な情報に基づくB型事業所の社会的理解の促進

B型事業所については、利用者に支払う工賃の引き上げの件が最近注目されがちである。今後はそれに加えて、提供する作業の質の向上や、病気・障害の当事者に資する情報提供についても、ぜひ目を向けてほしい。

如月さんの発信に触れ、B型事業所の意義や当事者の働き方について改めて考える機会となった。今後もこうした発信を通じて、制度や現場の理解が少しずつ広がっていくことを願いたい。

如月さんの活動はSNSでも発信されている。興味のある方は、以下のリンクも参考にしてほしい。

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参考文献・出典

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