まとめ
提示した資料を読み解いて
まず日本年金機構Webサイトの説明だけを見ると、
「働きながら障害年金をもらうことは難しい」
と捉えられてしまう。
特に障害基礎年金(国民年金)対象者は3級がない。その場合
「働くことができない程度の障害でないと障害年金がもらえない」
と思われてしまう。
だが「障害等級表」や「障害認定基準」をよく読むと、働きながら障害年金をもらうことを決して否定していないことが分かる。「障害等級表」に記載されている障害に相当すれば、働いているかどうかに関わらず障害年金はもらえるのである。
実際「障害等級表」の1級や2級に該当する身体障害があっても現に働いている人もいる。例えば片足の機能が失われてもデスクワークができる人もいるだろう(2級)
それに「障害認定基準」でも、働いている人を障害年金制度から排除していない。
精神障害・発達障害・知的障害の人についても、何らかの支援を受けながら働く人に対して障害年金を支給する余地を与えている。現に「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」にもそのことが明記されている。
2024年5月時点では、「国民年金法」や「厚生年金保険法」に「働いている人には障害年金を支給しない」旨はどこにも書かれていない。つまりこの2つの法律上も就労しながら障害年金をもらうことを否定していない。
障害年金は働きながらもらえる場合がある
繰り返しになるが、障害年金は「働けないこと」に対してではなく「障害」に対して給付される。障害によって生じる「健常者と同じように働くことの難しさ・不便さ」に対して給付されるというイメージである。
現に一定の支援を受けながら働いている場合、もし障害年金をもらっていなければ、今からでも障害年金を請求する価値はあるのではないか。もし障害年金をもらえれば経済面がより安定するからである。
この場合、実際に受けている支援の内容や就労時の困りごと等を診断書や申立書に具体的に記載することになる。
すでに就労しながら障害年金を受給している場合、「支援なしで安定して働ける状態」だとみなされない限り、働いても更新時に打ち切られる可能性は低いと思われる。もちろんそれは更新の診断書を確認する認定医の判断次第である。
知的障害・精神障害・発達障害・内部障害の人も、障害認定基準上は
「一定の支援・配慮を受けながら働いている場合」
も障害年金をもらえるのである。
例えば下記のような「一定の支援なしでは安定して働けない場合」は障害年金を受給できる可能性がある。
- 職場や就労支援機関から一定程度の支援を受けている場合
- 就労状況が現に不安定な場合(休みがち・休職や離職を繰り返す場合など)
それと福祉的就労(就労継続支援A型・B型事業所利用)の人だけでなく、一般企業で働いている人も障害を開示している場合(障害者雇用を含む)は障害年金の対象になる。
一般企業勤務で障害を開示せずに働いている場合も、何らかの就労支援を受けていれば障害年金をもらえる余地がある。
例えば障害者就業・生活支援センターを下記のような形で定期的に利用していれば、ガイドラインでいう「相当程度の援助を受けて就労している場合」(p8)に当てはまると判断されうる。
- 相談員に仕事に関する困りごとを相談する
- センター主催の交流会に参加する(障害がありながら働く人の交流会)
もちろん最終的には主治医が記入する「診断書」と、申請者本人(またはその周りの家族など)が記入する「病歴・就労状況等申立書」を、日本年金機構側の認定医が確認して等級を判断することになる。(新規の障害年金の請求の場合)
申請者等は主治医が記入する診断書とそごや矛盾のない範囲で、申立書に仕事に関する困りごとや受けている支援の内容を記入することになる。
最後に:日本年金機構の説明に問題があるのでは?
私個人は、日本年金機構の説明が「障害認定基準」にあまり沿っていないので、今後修正すべきではないかと考えている。特に障害基礎年金しかもらえない人にとっては「厳しい表現」になっている。
特に「支援を受けて何とか働いている」2級の障害基礎年金がもらえそうな障害者は、日本年金機構Webサイト等の説明文を見て、
「働いているから障害基礎年金はもらえそうにない」
と思ってしまうのではないか。
ここから
と私には思えてしまうのである。
したがって今後日本年金機構は障害年金制度の説明に
たとえ働いていても何らかの支援を要する場合・現に就労支援を受けている場合は、障害年金の給付対象になり得ること
を明記して欲しいと私は考えている。








コメント