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精神障害者や発達障害者が精神保健福祉士になるためには①―資格取得前にある難しさ

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精神保健福祉士になるまでにいくつもある難しさ

①自分自身に合う学校を選べるか

通学制か通信制か

精神保健福祉士を目指す精神障害者発達障害者がまず悩みそうなことは「学校選び」である。
病気・障害の有無に関係なく精神保健福祉士を目指す人の多くが保健福祉系大学や専門学校に入学する。その際通学制か通信制のどちらかを選ぶ。

おそらく精神障害発達障害の当事者の多くがこの段階で悩むことになる。以下のように思う人もいるだろう。

  • 「無事卒業できるだろうか」
  • 「病気・障害を抱えながら学習を続けられるだろうか」

通学制の学校の場合、原則毎日学校に通い勉強することになる。そこで毎日通学できるかどうか自体が課題になる。精神障害者・発達障害者の中には、毎日通学するのはペースが早すぎて体調を崩すリスクがある。

それと一緒に学ぶ他の学生とうまく関われるかどうかという問題もある。実際にコミュニケーションや社会性に課題のある精神障害発達障害の当事者もいる。

一方通信制の学校に通う場合、自分のペースかつ自分の好きな場所で学べる。新型コロナウイルスの流行を経た近年は、テキスト学習だけでなく動画視聴による学習を取り入れる学校が増えた。

ただしスクーリング(対面の集中講義)を必須とする学校が多い。次のような課題が考えられる。

朝から夕方まで最後まで集中して受講できるのか

それと入学後の履修の流れは学校によって異なる。学校ごとに定められたカリキュラムに沿って段階的に履修を進めることになる。

履修の流れをよく確認して学習計画を立てないと、あとで困ることになる。次のような事態になるかもしれない。

  • 「予定通りに実習を受けられない」
  • 「単位不足で学校を卒業できない」

学校が提供する「合理的配慮」

精神障害者発達障害者にとって、学校側から受けられる「合理的配慮」は特に気になるはずである。

通学制・通信制のどちらを選んでも、学校側と合理的配慮についてよく話し合う必要がある。

学校によっては入学前の事前相談を受け付けるところがある。その場合当事者は事前相談の結果を学校選びの参考にできる。

入学後に合理的配慮やその他必要な学習支援を十分受けられるかどうかは、卒業できるどうかを大きく左右する。

病気・障害の開示と合理的配慮に関する話し合いは、できれば入学後ではなく入学前の早い段階で行うことを私はお勧めする。

なお自身の病気・障害について学校に開示しない場合は、当然ながら「合理的配慮」は一切受けられない。あくまでも学校からは健常者扱いで学習を進めることになる。

健常者扱いされることによる不利益はいくつもある。もちろん自らの病気・障害の開示はご自身の判断だが、私は開示することを勧めたい。

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②日々の生活を維持しながら学習を継続できるか

学習のモチベーションを保てるか

病気・障害に関係なく、保健福祉系大学や専門学校に入学後の大きな悩みといえば、学習を継続できるかどうかだろう。特にこのことは通信制の学校で学ぶ人に大きく関係する。

自分のペース・自分の好きな場所で学ぶ通信教育の場合、十分な学習意欲を保てないといくらでも学習ペースが遅くなる。中には学習が止まって再開できず、学校を中退する人もいる。

その対策としては、他の学生との交流や情報交換をすることが考えられる。

それと自宅では集中して学習できない人は、近所のカフェやファストフード店、自習可能なスペースのある図書館など、外で勉強を進める選択肢がある。

もちろん通学制の学校の学生も、毎日通学できるだけのモチベーションは必要である。授業を楽しめるようになると意欲を保てるかもしれない。

心身の調子をどう安定させるか

上記に加えて、精神障害発達障害を抱えながら学ぶ人特有の問題として、体調管理が挙げられる。

学習を続けながらその意欲に加えて心身の調子を維持することは簡単ではない。体調が大きく悪化し勉強が止まるリスクが常につきまとう。

例えば早め早めに学校や主治医に相談するなどの対策が考えられる。通学制の学生の場合は、次のような事態はできれば避けたい。

  • 授業の欠席が重なり必要な単位を落とす
  • 長期欠席状態になる

一方通信教育の場合は、「調子が悪い時は無理に勉強しない」対策が取れる。ただし履修期間の延長をあらかじめ想定した学習計画を練ることが前提である。

例えば通信制大学の学生の場合、次のような学習計画が考えられる。

  • 4年間で可能な限り単位を取り、取り切れなかった分があれば履修を延長する
  • 6年かけて無理なく確実に履修する

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