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精神保健福祉士の精神疾患当事者が「クローズアップ現代」(2月12日放送分)を見て【心の病・精神障害】

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「クローズアップ現代」(2025年2月12日放送分)を視聴した率直な感想

今でも印象に残るシーン

2025年2月12日の「クローズアップ現代」の放送の中で、個人的に今でも印象に残っているのは、双極性障害(双極症)当事者の女性とその夫の様子である。(NHK 2025a)

気持ちの高ぶった女性が食事を作る最中の夫に大声でキツイ言葉を浴びせた場面と、気持ちの落ち込んだ女性がうつむいている場面がセットで放送された。

この夫は大きな精神的負担を抱えながらも、女性を看病しているように見受けられた。なお夫も実際「うつ状態」になり休職した時期もあるとのことだった。

双極性障害当事者の家族が抱える精神的負担

確かに双極性障害当事者のそばにいる家族の精神的な負担は重い。家族は当事者の気分の上下に合わせて対応しなければならない。

例えば「そう状態」の当事者が発する言葉に我慢を重ねることもあれば、「うつ状態」でつらい思いをしている当事者に寄り添うことを強いられる。

それと双極性障害当事者の家族は、当事者本人が「命を絶つリスク」を考えなければならない。例えば「うつ状態」の当事者に対する家族の不用意な言動一つで、当事者本人を精神的に追い詰めてしまうのである。

外部になかなか助けを求められない

このようにただでさえ精神的負担の大きい境遇に置かれる双極性障害当事者の家族だが、この境遇や精神的なつらさをオープンにできる場所が少ない。

「クローズアップ現代」の放送にもあった通り、当事者やその家族は、双極性障害を含む精神疾患に対する差別や偏見に実際にさらされている。

そうなると、社会に助けを求めることが困難な当事者やその家族は、だんだん地域社会とのつながりがなくなり、まさに「閉じる家族」になってしまうのである。

以上がこの「クローズアップ現代」の放送で登場した双極性障害当事者の妻とその夫の様子を見て私が感じたことである。

なおうつ病統合失調症などその他の精神疾患の当事者・その家族も、上記と似たような状況に置かれている。

それと当ブログ記事では詳しく取り上げないが、今回の「クローズアップ現代」では、精神疾患当事者の取り組みや精神科訪問看護事業所、家族会活動についてもあわせて取り上げられていたことをお伝えする。

補足:双極性障害(双極症)について

双極性障害を抱える人は、健常者よりも気分の上下変動が激しい。双極性障害「そう(躁)状態」の時に気持ちが高ぶる度合いに応じてⅠ型Ⅱ型に分けられる。(松本・野間 2020:87-88)

そのうちⅠ型では、社会生活や人間関係に支障が出るほど気持ちが高ぶる「そう状態」と、意欲の低下や気持ちが落ち込むなどの「うつ状態」を繰り返す。
一方Ⅱ型では、気持ちの高ぶり方がⅠ型より軽い「軽そう状態」「うつ状態」を繰り返す。

治療としては、医師が処方する「気分安定薬」と呼ばれる気分の上下を抑える薬の服用を継続することで、心身ともに安定して生活できるようになることがある。それと薬物療法とともに各種精神療法が行われる場合がある。(同書:94-99)

もちろん福祉的観点でいえば、双極性障害当事者の置かれた各種環境を調整して、安心して生活できるように支援することも重要である。当事者の周りにいる人の理解も不可欠である。

なお双極性障害(双極症)のより正確な情報は、精神科医・心療内科医にご確認いただきたい。

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