2つのニュースに対する私の考え
グループホームはもっと増えて欲しいと思う
和解という形になって良かった
1つ目のニュースにあった裁判の和解の件は、私個人も歓迎できる。この和解は他のマンション内のグループホームにもプラスの影響がある。
そう言えるのは、消防法等各種法令を遵守さえすれば、引き続きマンション内でグループホームを運営できるからである。もちろんすでにマンション内のグループホームに住んでいる障害者の住まいが奪われることはない。
「社会的排除」を防いだ和解
仮に和解にならず、裁判の結果がマンションにあるグループホームの運営が困難になるようなものだったとしたら、障害のある方が地域で生活しづらくなっていたかもしれない。
というのも、すでにマンション内グループホームに住む障害者が退去させられるだけでなく、今後のグループホームの設置にも支障が出ていたかもしれないからである。それこそ「社会的排除」にならないだろうか。
このような障害者の「社会的排除」の事態を防いだ大阪高裁の和解勧告について、私は評価できると考えている。
それと新たなグループホームの設置についての支障が減る形にもなる。マンション内にグループホームを設置することが多少は容易になりそうである。
どのようにしてグループホームの「質」を保ちながら「数」を増やすか
営利企業が福祉サービスに参入した「負の側面」?
実際にグループホームを増やすに当たって、グループホームの「質」の問題がある。グループホームの「数」を増やしたとしても、その「質」が十分でなければ、2つ目のニュースで取り上げた「恵」の不正のような問題が今後も発生するのではないか。
特に「営利企業頼み」ではなかなか上手く行かないのではないかと私は考える。もちろんグループホームに関わる営利企業のすべてが問題というわけではない。それと非営利団体でも問題のある事業者もある。
とはいえ営利企業はそもそも収益が強く求められる点に注意しなければならない。今回の「恵」の不正問題は、必要以上に収益を求めた結果生じた可能性もある。
規制緩和の是正など行政の関与が必要
私はグループホームの「質」の担保のために、より行政が関わる必要があると思っている。行政は利用者保護に関わる妥当な規制を掛けるべきである。
現に「恵」の不正問題が発生した理由の一つとして、「営利企業」による福祉サービスの参入を認めたことなど、規制緩和の影響もあったのではないか。
グループホームについては、運営事業者が問題を起こしてしまうと、入居者が「住まい」を失う可能性が出てくる。そうなると障害のある人にとって次の住まい探しは容易ではない。
他にもできそうな取り組みがある
それとより良いグループホーム運営の担い手を作ったり育てたりする取り組みも必要だろう。特に利益が最優先ではない社会福祉法人やNPO法人へのより手厚い支援も求められる。
さらにグループホームの入居者の意見をより吸い上げる仕組みがあれば望ましい。その際障害ゆえに意思表明が難しい人がいることを考慮しなければならない。グループホームの「質」の担保は、グループホームに実際に住む人の意見が不可欠だからである。
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