実際にXで話題になった例
働く障害年金受給者叩き
働きながら障害年金を受給しているある人(以下、Aさん)が、職場から「賞与(ボーナス)」をもらったことをXに書き込んだ。このAさんのポストには、賞与の金額が書かれていた。明細の画像も添付されていた。
このAさんのポストを別のあるXユーザー(以下、Bさん)が引用して、以下のような趣旨の投稿をした。
そんなに賞与がもらえるなら、健常者として生きれば良い。障害年金の不正受給ではないか
その結果両方のポストの表示数がすごく伸びた。それとAさん・Bさんそれぞれに対して賛否両論が沸き起こった。
特にAさんに対する「非難」の声は多数あった。Aさんが「賞与の金額をわざわざオープンにしたこと」に対するものだけではなく、「障害年金の受給に関するバッシング」とも言えそうなポストも確かにあった。Bさんの意見に賛同する人がいたのである。
一方Bさんに対する「批判」もあった。働きながら障害年金をもらえる場合があるにも関わらず、Bさんが「不正受給」と表現したことに対して、複数のXユーザーが批判したのである。
今もある「生活保護バッシング」
また「生活保護基準よりもワーキングプア(働く貧困層)の賃金が低い」という現実を記したポストに対して、様々な意見が寄せられていた。
その中には生活保護受給者に対して「ずるい」とか「贅沢をしている」と主張する「バッシング」のポストが多数あった。さらには「生活保護基準の引き下げ」を主張するXユーザーもいた。
以前も報道で何度も問題として取り上げられたいわゆる「生活保護バッシング」に近い構図だと私は感じた。
「生活保護バッシング」は、ある芸能人の母親が生活保護を受給していたことを週刊誌が報道したことがきっかけになった。多くのマスメディアがこの件を報道したほか、その芸能人本人が記者会見を開くことになった。また国会でもこの件が取り上げられ、生活保護制度の見直しに影響を与えた。(imidas 2013)
- imidas(2013)「生活保護受給バッシング報道」(2024年6月19日アクセス)
https://imidas.jp/genre/detail/F-106-0083.html - 日本年金機構(2023)「障害年金」(2024年6月18日アクセス)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html - 「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 令和4年4月1日改正」(2024年6月18日アクセス)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/01.pdf - 「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン 平成28年9月」(2024年6月18日アクセス)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20160715.files/A.pdf
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