より自閉症の理解を深めるためには
啓発イベントだけで十分なのか
自閉症の理解をより一層深めるために、毎年世界自閉症啓発デーに合わせた啓発イベントを企画・開催することは必要だと思う。ただしそれだけでは十分とはいえない。
確かに毎年啓発イベントを行うことで、人々に対して自閉症や発達障害の存在を思い出してもらうキッカケ作りにはなる。
しかし私はそこからもう一歩進めて、できる限り多くの人々に自閉症などについて継続して関心を持ってもらえるようにして欲しいのである。
自閉症当事者の力は必要
そのための手段の一つとして、自閉症の当事者の力を借りるというものがある。先ほど述べた「世界自閉症啓発デー ONLINE 2024」のイベントで行われるメッセージ動画がまさにそれに当たるだろう。
他にもまだ手段が考えられる。福祉・医療・保育・教育関係者は、他の一般市民よりも自閉症者と関わる可能性が高い。すでに自閉症者と関わっている人もいる。これらの分野の関係者に対して、定期的に自閉症の理解を深めてもらう機会を作って欲しい。
特に自閉症当事者と実際に交流して話を聴いたり、自閉症について分からないことを当事者に直接質問する機会があれば効果的だろう。
特に学校で日々生徒・学生に指導している教師の理解が重要になるのではないか。教師の自閉症の理解が深まれば、「何かおかしい」と気づくことができ、自閉症者の早期発見・早期療育につながるだろう。それだけではなく、生徒・学生に対して自閉症の基礎知識をより伝えることもできるのではないか。
当記事の参考文献
- 岩波明(2017)『発達障害』文藝春秋
- 厚生労働省(2024)「4月2日は『世界自閉症啓発デー』東京タワーにて点灯式・ライトアップを行います」(2024年3月30日アクセス)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38925.html - 世界自閉症啓発デー日本実行委員会(2024a)「世界自閉症啓発デー日本実行委員会<公式サイト>」(2024年3月30日アクセス)
https://www.worldautismawarenessday.jp/ - ―――(2024b)「世界自閉症啓発デーとは」(2024年3月30日アクセス)
https://www.worldautismawarenessday.jp/introduction/ - ―――(2024c)「日本各地での取り組み」(2024年4月1日アクセス)
https://www.worldautismawarenessday.jp/national-efforts2024/ - 日本精神保健福祉士養成校協会編(2016)『精神疾患とその治療』第2版(新・精神保健福祉士養成講座1)中央法規出版
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