発達障害(神経発達症)および自閉症(ASD)について
発達障害の概要
発達障害とは、成長にしたがって発達するはずの言語や認知能力などの機能のうち、特定の部分の発達が遅れることにより、日常や学校、社会生活に支障が生じる障害をまとめて表したものである。生まれつきのものではあるが、知的機能全体の発達が遅れる知的障害とは異なる。

なお、発達障害には、この後説明する自閉症の他に、以下のものが含まれる。
- 「学習障害(限局性学習症、LD)」:文字の読み書きや算数に難しさがある
- 「注意欠陥・多動性障害(注意欠如・多動症、ADHD)」:不注意・多動・衝動性が目立つ
自閉症とは
いわゆる自閉症とは、社会性や意思疎通に関わる能力の発達が遅れる障害である。自閉症には以下のような症状がある。
- 非言語的コミュニケーションの難しさ
- 特定の物・行動へのこだわり
- 場の空気・ルールが読めない
最近よく呼ばれる「自閉症スペクトラム障害(自閉スペクトラム症・ASD)」は、以下に述べる自閉症類の総称である。
自閉症の種類

自閉症は、知的障害を併発する場合としない場合がある。知的障害を併発するものは、「小児自閉症(カナー症候群)」とも呼ばれる。
知的障害を併発しないもののうち、言語発達の遅れがある(あった)場合は「高機能自閉症」という。
一方、言語発達の遅れのない場合は、「アスペルガー症候群」と呼ばれている。この2つをまとめて「高機能自閉スペクトラム症」と呼ぶこともある。
ASDという用語ができた理由は、発達の遅れの基準・境界が明確でないことと、援助を行う際に両者を区別する必要性が低いからである。
自閉症による生きづらさ~筆者の場合~
以下は筆者個人の体験に基づく内容である。自閉症による生きづらさは人によって多様だが、その一例としてお読みいただけると幸いである。
自閉症(アスペルガー症候群)と診断されて
私自身は高校3年生の時に、大学病院の医師から「アスペルガー症候群」(当時の表現)と診断された。
診断以前に発達の遅れを指摘されたことがあったものの、私は明確な検査・診断を受けた記憶がなかった。したがって、私は学校などでアスペルガー症候群や自閉症スペクトラム障害があることを前提とした対応を受けられなかった。
私は小学校・中学校とずっとクラスになじめず、同級生から10年以上いじめられた。当然友達と言えそうな人は作れなかった。高校に進学しても、私自身には分かりにくい形でからかわれた経験がある。インターネットの掲示板に心無い書き込みをされたこともある。
その当時、いじめられる理由が自分にはまったく分からなかった。何か問題があったのかもしれないが、私自身はまったく心当たりがなかったのである。
当時を振り返って…
今当時を振り返ると、場の空気をあまり読まずに行動したり、他人との会話の際に、相手の顔に目線を合わせられなかったりしたことがあったと思う。それと「他人のことをおもんばかる」ことも、当時は難しかったのだと思う。相手のペースや気持ちを考えることが困難だった。
ところが、このような数々の課題を、当時の学校の教師など「周りの大人」が、私に対して理解しやすい形で伝えてくれるわけではなかった。
いじめられたりケンカしたりした後、相手だけでなく当然私に対しても教師と話をする時間があった。ただ、私は教師から言われたことがほとんど理解できなかった。この記事を書いている最中に思い出そうとしても、あまり思い出せなかった。
ただ、勉強だけはそれなりにできた方である。高校時代の定期テストの成績は悪くなかったし、大学受験予備校主催の模試でもそこそこ点数が取れた。当時は大学受験の勉強をしており、予備校の現役生向けコースに通っていたが、なぜか特進クラスで勉強していた。
それでも、高校3年生の夏に心が壊れてしまい、結局は高校を中退する事態になった。もう少し早く「自閉症スペクトラム障害」とか「発達障害」のことが分かっていれば、それなりに支援を受けられたかもしれない。それと、心がボロボロにならず、人生がまだマシなものになっていたかもしれない。




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