はじめに
このブログでは、2026年1月31日に投稿した記事にて、東海道・山陽・九州新幹線向けインターネット予約サービス「エクスプレス予約」および「スマートEX」で2026年秋以降に導入予定の障害者割引商品について考察した。

当時は詳しいサービス内容が不明だったものの、その後2026年8月6日に出されたプレスリリース1にて、身体障害者手帳・療育手帳の所持者を対象とした「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」として、2026年9月15日から発売開始になることが案内された。(利用は2026年10月1日より)
精神障害者保健福祉手帳に基づく割引商品は、2027年春発売予定とのことである。
この記事では、2026年9月15日より発売開始された
について紹介するとともに、料金比較や利用上の注意点、障害当事者の立場から見た課題についても考察する。
この記事では、「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」を上記2つのサービスの総称として呼ぶ。
この記事をぜひ読んでほしい人
この後の流れ
- 1ページ目後半:EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引の詳細
利用の準備方法や対象区間・人数、料金面など、「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」のサービス内容について、公式サイトを参考にしながら解説する。 - 2ページ目前半:EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引の考察
1ページ目後半の内容を踏まえて、筆者が「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」について気づいたことを5つに分けて述べる。 - 2ページ目後半:まとめ
この記事を総括するとともに、鉄道運賃の障害者割引制度についての課題や制度の改善についても触れている。
EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引の詳細
この項では、「エクスプレス予約」および「スマートEX」のWebサイトで公開されている情報を参考にして、適宜筆者が補足しながらサービスの詳細をまとめている。

利用準備
「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」を利用するためには、あらかじめスマートフォンのEXアプリから身体障害者手帳または療育手帳の情報を登録する必要がある。
手帳にある「第1種」または「第2種」の記載(旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄)を確認してほしい。どちらの記載があるかにより、利用できる割引の範囲が変わる。
現在のところ、スマートフォンのEXアプリ以外からは身体障害者手帳・療育手帳の情報を登録できない。したがってスマートフォンをお持ちでない方・利用が困難な方はこの商品を利用できない。
対象区間・利用人数
身体障害者手帳・療育手帳の記載が「第1種」か「第2種」かにより、割引の対象区間が変わる。
| 第1種・第2種共通 | 身体障害者・知的障害者本人が 単独で利用する場合 | 東京~鹿児島中央の営業距離が 100kmを超える区間で発売 |
| 第1種のみ | 身体障害者・知的障害者本人が 介助者とともに利用する場合 | 東京~鹿児島中央の各駅相互間で発売 |
障害者本人が1人で利用する場合、「乗車する新幹線駅」から「下車する新幹線駅」までの片道の営業キロが100kmを超えないと割引商品を利用できない。
一方「第1種」の手帳をお持ちの方が介助者とともに利用する場合は、営業キロ数の制限はなく、介助者分も含めて2人とも割引商品を利用できる。
従前の障害者割引乗車券に準拠したルールだが、大きな注意点がある。それをこの後の考察で紹介したい。
対象列車・設備
対象列車
終日の「のぞみ」「みずほ」「ひかり」「こだま」「さくら」「つばめ」が対象である。
- 東海道新幹線・山陽新幹線(東京~新大阪~博多):「のぞみ」「ひかり」「こだま」
- 山陽新幹線・九州新幹線(新大阪~博多~鹿児島中央):「みずほ」「さくら」
- 九州新幹線(博多~鹿児島中央):「つばめ」
対象列車は特に制限はなく、どの種別でも利用できる。
対象設備
普通車指定席・グリーン車・Supreme Class・普通車自由席が対象である。
一部新幹線の普通車指定席に設定のある「S Workシート」「S Work Pシート」や、グリーン車より上級の設備を備えるSupreme Classも対象になる。
予約変更
「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」を利用する場合、改札入場前かつ予約列車の発車時刻までであれば、手数料無料で何度でも変更できる。
ただし介助者用同伴商品(介助者がいる)の場合で、乗車列車を変更する際は、本人用の予約を変更してから介助者用の予約を変更する必要がある。また本人用・介助者用の乗車用ICカードの再指定が必要になる。
注意点
通常の「エクスプレス予約」「スマートEX」のサービスとは異なり、乗車は指定された乗車券ICカードに限られる。指定席券売機などできっぷを受け取っての乗車はできない。
また途中下車ができない。途中駅で下車した場合は、下車駅より先の区間は無効になり、再度乗車できない。(残りの区間は別途購入することになる。)
紙の障害者割引乗車券利用時と同様に、身体障害者手帳や療育手帳を携帯し、係員より求めがある場合は提示する必要がある。(マイナポータルと連携済みの「ミライロID」の画面提示でも可能)
料金
2026年9月時点の情報です。今後の運賃やサービス改訂により変更される場合がありますので、公式サイトで確認されることをおススメします。
ここでは以下の各サービスにおける主な区間の料金(大人片道1人あたりの通常期・普通車指定席料金)を記載している。
- エクスプレス予約サービス 身体障がい者割引・知的障がい者割引→EX予約 障がい者割引
- スマートEXサービス 身体障がい者割引・知的障がい者割引→スマートEX 障がい者割引
- 紙の障害者割引乗車券+特急券
- エクスプレス予約サービス(基本)→EX予約(基本)
- スマートEXサービス(基本)→スマートEX(基本)
東海道新幹線 のぞみ号 東京~名古屋・京都・新大阪
| 区間 | 東京~名古屋 | 東京~京都 | 東京~新大阪 |
|---|---|---|---|
| EX予約 障がい者割引 | 7,690円 | 9,500円 | 9,770円 |
| スマートEX 障がい者割引 | 7,910円 | 9,790円 | 10,060円 |
| 紙の障害者割引乗車券+特急券 | 8,110円 | 9,990円 | 10,270円 |
| EX予約(基本) | 10,880円 | 13,680円 | 14,230円 |
| スマートEX(基本) | 11,100円 | 13,970円 | 14,520円 |
山陽新幹線 のぞみ号・みずほ号 新大阪~小倉・博多
| 区間 | 新大阪~小倉 | 新大阪~博多 |
|---|---|---|
| EX予約 障がい者割引 | 10,300円 | 10,740円 |
| スマートEX 障がい者割引 | 10,480円 | 10,920円 |
| 紙の障害者割引乗車券+特急券 | 10,690円 | 11,130円 |
| EX予約(基本) | 14,760円 | 15,640円 |
| スマートEX(基本) | 14,940円 | 15,820円 |
九州新幹線 さくら号・つばめ号 博多~熊本・鹿児島中央
| 区間 | 博多~熊本 | 博多~鹿児島中央 |
|---|---|---|
| EX予約 障がい者割引 | 4,100円 | 8,280円 |
| スマートEX 障がい者割引 | 4,430円 | 8,610円 |
| 紙の障害者割引乗車券+特急券 | 4,630円 | 8,820円 |
| EX予約(基本) | 5,310円 | 11,420円 |
| スマートEX(基本) | 5,640円 | 11,750円 |


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