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エクスプレス予約・スマートEXの障害者割引商品を徹底解説【料金比較・利用時の注意点・今後の課題】

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EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引の考察

ここでは「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」について、筆者なりの以下の考察をまとめている。

  1. 障害者もWEBの乗車予約・チケットレスの恩恵を受けやすくなった
  2. 後回しになる精神障害者保健福祉手帳の対応
  3. 事前登録がEXアプリ限定になっている
  4. 障害者割引商品の割引方式・割引率について
  5. 在来線の駅から乗車する場合は要注意
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①障害者もWEBの乗車予約・チケットレスの恩恵を受けやすくなった

「エクスプレス予約」「スマートEX」に身体障害者手帳・療育手帳所持者向けの割引商品が追加されたことで、障害者割引を利用する場合でも、これらのサービスの利便性を利用できるようになった。

これまでは割引資格の確認と紙のきっぷの発券のために、駅の有人窓口またはオペレーターと話せるタイプの指定席券売機を利用する必要があった。また自動改札の利用は紙のきっぷ対応のものに限られた。

今後はEXアプリによる事前登録を行えば、一般利用者と同等のサービスを受けられる。Web予約が選択肢に加わるほか、紙のきっぷを発券しなくても良くなる。さらに乗車用ICカードを使って自動改札を通過できるようになる。

  • 現在でも「エクスプレス予約」会員のみWebで「e特急券」(特急券のみの商品・2027年3月末乗車分で発売終了)を予約できるが、有人窓口や指定席券売機で紙の特急券を発券することになる。
  • 「e5489」や「JR九州インターネット予約サービス」で障害者割引乗車券のみの予約は可能である。ただし駅の有人窓口や指定席券売機で紙のきっぷを受け取る必要がある。
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②後回しになる精神障害者保健福祉手帳の対応

記事冒頭で述べた通り、精神障害者保健福祉手帳所持者向けの割引商品は、2027年春に発売予定となっている。

公式に対応予定が示されたこと自体は前進と捉えることもできるが、精神障害当事者やその支援者で「後回しにされた」と感じた方はおそらく少なくない。

なぜ今回身体障害者・知的障害者向けの商品と同時導入にならなかったのかについて、JR側からもう少し丁寧な説明があれば、精神障害当事者やその支援者の理解や納得を得やすかったのではないか。

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③事前登録がEXアプリ限定になっている

「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」の利用のために行う事前登録は、今のところスマートフォン用のEXアプリ限定である。そのためスマートフォンを持っていない方や利用が困難な方は、この割引商品を利用できない。

もちろんインターネット予約サービスである以上、一定のデジタル環境を利用の前提とすることは理解できる。ただ障害者向けサービスとして、将来的に登録方法の選択肢が広がることを期待したい。

特にスマートフォンではなくPCであれば「エクスプレス予約」「スマートEX」にアクセスできる障害者への対応をお願いしたい。

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④障害者割引商品の割引方式・割引率について

前述の料金比較を見る限り、割引方式・割引率は「紙の障害者割引乗車券+特急券」の金額をベースとしているようである。2JALやANAといった航空各社が採用する「ディスカウント方式」3は採用されていない。

割引が大幅に増えたわけではないものの、従来の障害者割引制度と比べて大幅に不利になっているわけではない。少なくともデジタル化に伴い割引が引き下げられなかったことは評価できる。

ただしこれは新幹線駅同士の利用で完結する場合の話である。

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⑤在来線の駅から乗車する場合は要注意

新幹線とJR在来線を相互に乗り換えて目的地に移動する方も多い。その場合、以下の両者の価格をよく比較する必要がある。

  • 紙の障害者割引乗車券(通し)+紙の新幹線特急券
  • 「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」+在来線区間の乗車券

「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」は、あくまでも新幹線区間のみ有効の乗車券・特急券一体型の商品である。在来線区間は乗車できず、別途在来線区間のきっぷを購入することになる。

それに加えて、特に障害者本人が単独で乗車しようとする場合は、以下の2点に注意したい。

  1. 新幹線区間+在来線区間の合計で100kmを超えるものの、新幹線区間のみでは100kmを超えない場合→「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」を利用できない
  2. 在来線区間も比較的距離が長い場合→「紙の障害者割引乗車券(通し)+紙の新幹線特急券」の方が大幅に安いことがある

以下補足として実例を挙げて説明する。なおここでは分かりやすくするために、料金比較は以下の2つのパターンに絞っている。

  1. 紙の障害者割引乗車券(通し)+紙の新幹線特急券
  2. 「スマートEX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」+在来線区間の乗車券
実際の料金差はどの程度になるか、2つの事例で比較(クリック・タップで開く)

例① 千葉~品川~熱海

料金比較 千葉〜品川〜熱海
筆者自身が作成

千葉からJR在来線で移動し、品川で新幹線に乗り換えて熱海に向かう場合は、「紙の障害者割引乗車券(通し)+紙の新幹線特急券」の料金の方が明らかに安い。

そもそも千葉~品川間・品川~熱海間はともに片道100kmを超えない。よって単独乗車の場合は、在来線区間の障害者割引も「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」も利用できない。

  • 紙の障害者割引乗車券(通し)+紙の新幹線特急券の料金:3,640円
    • 紙の障害者割引乗車券(千葉~熱海 143.8km):1,350円
    • 指定席特急券(通常期・品川~熱海):2,290円
  • 「スマートEX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」+在来線区間の乗車券の料金:3,920円(単独乗車時は利用不可)
    • 「スマートEX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」(通常期・品川~熱海 97.8km):3,080円(第1種・介助人同伴時のみ発売 参考)
    • 在来線区間の乗車券(千葉~品川 46.0km):910円(交通系ICカードの場合は902円)

「スマートEXサービス(基本)」における品川~熱海の料金は、4,070円である。(通常期)
「スマートEXサービス(基本)」+在来線区間の乗車券の合計料金は4,980円となる。(交通系ICカード利用時は4,972円)

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例② 長浜~米原~新大阪~関西空港

料金比較 長浜〜米原〜新大阪〜関西空港
筆者自身が作成

長浜から在来線で米原に行き、そこから東海道新幹線で新大阪まで移動し、在来線に乗り換えて関西空港に移動する場合、単独乗車でも「スマートEX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」を利用できる。ところが「紙の障害者割引乗車券(通し)+紙の新幹線特急券」の方が700円近く安い。

単独乗車で「スマートEX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」を利用すると、長浜~米原間・新大阪~関西空港間はいずれも片道100km未満になり、どちらも障害者割引を利用できない。もう110円出せば、長浜~関西空港間の障害者割引乗車券が買えてしまう。

  • 紙の障害者割引乗車券(通し)+紙の新幹線特急券の料金:4,710円
    • 紙の障害者割引乗車券(長浜~関西空港 175.2km):1,650円
    • 指定席特急券(通常期・米原~新大阪):3,060円
  • 「スマートEX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」+在来線区間の乗車券の料金:5,390円
    • 「スマートEX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」(通常期・米原~新大阪 106.7km):3,850円
    • 在来線区間の乗車券①(長浜~米原 7.7km):200円
    • 在来線区間の乗車券②(新大阪~関西空港 60.8km):1,340円
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まとめ

この記事では「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」について、利用の事前準備や対象列車・設備、料金面などを紹介した。それとこの商品について、筆者の視点で気づいた点を5つ紹介した。

この記事をお読みになり、「エクスプレス予約」や「スマートEX」でそれぞれ発売が始まった身体・知的障害者向け割引商品についてどうお感じになっただろうか。率直なご意見・思いをコメント欄でお寄せいただけると幸いである。

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利便性向上や選択肢の増加とともに複数の課題も

今回導入された「EX 身体障がい者割引・知的障がい者割引」により、障害者割引利用者も「エクスプレス予約」や「スマートEX」によるチケットレス乗車や予約変更の利便性を利用可能になった。これは障害当事者の移動環境の改善という意味で大きな前進と言える。

一方で、この商品の利用するための事前登録が「EXアプリ」限定であることや、精神障害者保健福祉手帳所持者向け割引商品の導入が後日になることなど、今後の課題も残されている。

また在来線との乗り継ぎを含む利用では、従来の紙の障害者割引乗車券と新幹線特急券を組み合わせた方が安くなるケースもあり、利用区間に応じた比較・検討が欠かせない。

利便性向上の恩恵を受けられる利用者がいる一方で、利用区間や利用環境によっては、従来の紙のきっぷの組み合わせの方が適している場合もある。新しい商品の登場で選択肢は増えたが、その分だけ制度が複雑化したともいえる。

利用者にとっては、制度内容をよく理解した上で適切に選ぶことがこれまで以上に重要になっている。

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より障害当事者に寄り添った運賃割引制度に向けて

今回の商品導入は、障害者割引の仕組みそのものを大きく変えるものではなく、既存の障害者割引制度をデジタル環境でも利用しやすくしたものと位置づけられる。

またこの記事で取り上げた課題は、EXサービス特有のものだけではなく、現在の障害者運賃割引制度全体が抱える課題とも重なっている。

今後は単独乗車時の100km要件や特急料金部分の割引の扱いも含め、障害当事者にとってより分かりやすく利用しやすい制度への見直しが進むことを期待したい。

JALやANAなどの航空各社が採用する「ディスカウント方式」への変更なども含め、より利用実態に即した障害者運賃割引制度のあり方について議論が深まることを私は願う。

  1. 東海旅客鉄道など(2026)「『e5489』との連携により、『EXサービス』がますます便利になります!」(2026年8月12日アクセス)https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000045859.pdf ↩︎
  2. 乗車券は通常の半額、特急券については割引なしの金額を合計したもの ↩︎
  3. 例えばJAL国内線の場合、障がい者割引が適用されると早期予約割引系の商品・プロモーション割引商品を含めた各種運賃からさらに20%割引になる。割引を重ねられることが大きな特徴である。 ↩︎
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最後までご覧いただきありがとうございました。こちらの記事もあわせてご覧ください。

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