障害年金制度の認知度や周知度
知らない人もいる障害年金
- 内閣府(2024)「『生活設計と年金に関する世論調査』の概要」(2024年4月18日アクセス)
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-nenkin/gairyaku.pdf
年代によって障害年金の認知度が変化する
出典:内閣府(2024)「『生活設計と年金に関する世論調査』の概要」p27-30
ここからは内閣府が行った「生活設計と年金に関する世論調査」の結果から考える。この概要版のリンクを上に貼っている。まず「障害年金の仕組みがあることの認識」についての項目(p27-28)で、障害年金を「知っている」と答えた人が59.6%、「知らない」と答えた人が39.6%だった。
これを年齢別で見ると、「18歳~29歳」の層で「知っている」と答えた人は43.7%、「知らない」と答えた人は55.9%だった。それが30代以上の層になると半数以上の人が「知っている」と回答している。
次に「障害年金について詳しく知りたいこと」の項目(p29-30)で、最も詳しく知りたいと思うことは、「障害の程度・保険料納付実績など障害年金を受給するために必要な要件」(67.1%)だった。
この障害年金の受給要件はどの年代も知りたい人が多いが、特に「40~49歳」「50歳~59歳」の層で70%を超えている。
年代に応じた公的年金制度の理解促進
それと「公的年金制度の理解を広げるための方策」の項目(p22-23)を見てみる。この項目では世代別に見ていくと分かりやすい。
どの世代でも共通して挙げられているものが「テレビや新聞などのマスメディアを活用した広報」である。(総数:59.5%)割合としては相対的に低い「18~29歳」「30~39歳」の層でも50%程度の人が挙げている。
また「ニュースサイトなどのWebメディアを活用した広報」(総数:32.1%)も、「50~59歳」以下の世代を中心に比較的高い。「30~39歳」の層に限ると42.1%である。
世代別では、30代以下の世代で
- 「中学・高校における年金に関する授業の充実」
- 「大学・専門学校における年金に関する授業の充実」
- 「YouTubeなどの動画投稿型のソーシャルメディアを活用した広報」
- 「旧Twitterの『X』などの文章投稿型のソーシャルメディアを活用した広報」
の各項目が、他の世代より高い。
一方50代の層は、「相談窓口の設置や専門家の紹介など、年金について個別に相談できる機会の増加」の項目が比較的高い。(43.2%)
世論調査を読んでの考察
この世論調査より、国民全体においてそもそも障害年金の存在を知らない人も多いことが推察できる。特にそれは10代・20代の層で顕著である。
それと障害年金の受給要件を十分に理解していない人がとても多いように思われる。「障害年金の名前を聞いたことはあるものの、もらうための条件がよく分からない」という人もいるのではないか。
この考察から、次のような行動をする人がいることも私は納得できてしまう。
- 障害年金の存在を知らず、「老後の年金制度はあてにできない」などと考え、保険料をあえて未納にする。
- 障害年金の存在自体は知っているが、受給要件を十分理解していないために、年金保険料の支払いが苦しくても免除や猶予の申請をせず未納にしてしまう。
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