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「ピアサポートフォーラム滋賀2025」に参加して―内容整理と今後のピアサポートを考える【イベントレポート】

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「ピアサポートフォーラム滋賀2025」の内容整理

第1部「滋賀のピアサポートはどうありたいか」

イベント前半は、ピアサポートに取り組む当事者やその支援者が登壇・発表された。以下、それぞれの発表をまとめている。

就労とピア

このパートでは、就労継続支援B型事業所で活躍するピアサポーターA氏と、訪問看護事業所に勤める当事者B氏・職員C氏がそれぞれ登壇された。

就労の場におけるピアサポートの可能性と、その一方で制度や雇用面における課題が共有された。

A氏の発言まとめ:「ピアサポート加算」の現状と課題・活動を支える仕組み
  • 障害福祉サービス報酬「ピアサポート加算」が使いづらい。
    • A氏の事業所の場合、「ピアサポート加算」を利用すると、得られる報酬がかえって減ることが見込まれたため、利用を断念した。
    • ピアサポーターによる支援回数が増えれば、単位数を増やす(=報酬が増える)仕組みに変えてほしい。
    • 現状はピアサポーターを雇用する必要があるほか、同月内はピアサポーターが何度支援しても単位数は増えない。
  • ピアサポートの紹介や支援事業、ピアサポートに関する情報提供が必要では?
    • ピアサポートを依頼したくても、問い合わせ先が不明。
    • どんなピアサポーターが派遣されるかが分からず、派遣をお願いしづらい。
      • 「傾聴が得意な方」とか「登壇できる方」とかが、事前に分からない。
    • 情報提供や定期的な講習も必要では?
B氏・C氏の発言まとめ:ピアスタッフとして働く当事者と職員の工夫
  • B氏は休職をしつつも、ピアスタッフとして訪問支援を続けられている。
    • 「私生活と仕事のバランス」や「ピアスタッフとして何ができるか」に悩むことがあった。
    • 職員体制の変更への対応に苦慮した。
    • ピアスタッフという独自性のある職種への魅力や、支援チームの一員としての実感がある。
  • 一方、C氏はB氏にとって働きやすい環境づくりに取り組んだ。
    • 担当職員を固定する。
    • 取り組みたい活動に取り組めるように調整する。(地域貢献など)
    • 相談しやすいような工夫を行う。
  • ピアスタッフがいることで、職場全体に影響がある。
    • ピアスタッフも成長し変化していく。
    • ピアスタッフが活躍しやすい環境づくりが必要である。

このパートを通じて、ピアサポーターが就労の場で活躍する可能性は確かに存在する一方で、制度設計や職場環境の整備が追いついていない現状も浮き彫りになった。

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ピアサポーターの自由な活動と支援センターの関係

このパートでは、滋賀県内の地域活動支援センターの職員2名やピアサポートグループで活動する当事者3名、行政職員1名がそれぞれ壇上で発言された。

地域活動支援センターとピアサポートグループとの関係性を軸に、自由なピアサポート活動の可能性と、それを支える側が抱える課題が共有された。

地域活動支援センター職員から:協働の実践と支援上の課題
  • センターとピアサポートグループが協働している。
    • センターが行う地域住民との交流を目的としたイベントの運営で、ピアサポートグループと協働した。
    • センターがピアサポーター養成講座を主催した。
    • センターとピアサポートグループとのさらなる取り組みについて、センター内で今後話し合いを重ねたい。
  • センター側のピアサポート活動支援が難しい。
    • 職員体制の変化や、意見の相違があったものの、継続して活動を支援するために日々考えている。
    • 他のピアサポートグループが今後できたときの支援も課題である。
    • センター自体の業務量が増加している。
  • ピアサポートグループ側にも、活動継続の困難さがある。
    • グループメンバーの多くが、ピアサポート活動と他の仕事・活動を掛け持ちしている。
    • 金銭的な支援を実施している。(県の予算を活用して、活動の一部で交通費を支給するなど)
当事者から:一緒に活動し、つながることも「ピアサポート」になる
  • 県内各地のボランティア団体などの活動に参加している。
    • ハンドベルの演奏や茶話会でのメンバーとの交流など。
    • 他のメンバーと楽しみながら参加できる。
  • ピアサポートは、「話す」「聴く」だけではない。
    • 人とつながることがピアサポートの原点では?
  • スポーツを通じてでもピアサポートができる。
    • バレーボールの試合に参加し、負けてしまったものの、楽しかった。
    • 一緒に同じことに取り組むことも、ピアサポートにつながる。
行政職員から:研修や委託事業を通じたピアサポートへの支援
  • 精神障害者ピアサポート事業を実施している。
    • 県内の各支援センターに委託している。
  • 障害者ピアサポート研修を実施している。
    • 2025年度は県内の社会福祉法人に委託して実施した。

このパートを通じて、ピアサポートは多様な形で展開できる一方で、その自由な活動を継続的に支えるためには、支援センターや行政を含めた体制づくりが不可欠であることが示された。

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第2部 「グループワークとシェアリング」

イベント後半では、参加者がグループに分かれて、第1部の感想や今後のピアサポートに関する思いを共有するグループワークが行われた。

私が参加したグループでの意見

ここでは、私が参加したグループで出た主な意見を整理する。

  • ピアサポートの多様な形への気づき
    • 音楽やスポーツにおけるピアサポートの話題を聴き、ピアサポートとしてできることがたくさんあることが分かった。
    • アロマテラピーをしながら、相手の話に耳を傾けることもできる。
    • 「話す」「聴く」以外の「間接的な」ピアサポート活動
  • ピアサポーターの役割について
    • ピアサポーターが、利用者と職員の「橋渡し役」になる。
  • ピアサポート活動を広げるための課題
    • ピアサポート活動に関する情報発信が課題だと思う。
    • 事業所によりけりだが、ピアサポートについて知らない方も多い。
    • ピアサポーターに助けられた経験を、他の方にも知ってほしい。
    • ピアサポートを要する人とのマッチングができる仕組みの構築が必要だと思う。
    • 「ピアサポーター登録バンク」
  • ピアサポートを職業としてとらえる視点
    • ピアサポートを職業にしたい。
    • 「専門職化」したい。
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私自身の意見

なお、ピアサポーター専門職の双方の立場を経験した者として、私は以下のような意見を共有した。

  • ピアサポートを「専門職による支援のおまけ」ではなく「支援になくてはならない存在」にしたい。
    • ピアサポーターが汗をかくだけでなく、支援者が意識を変えてほしい。
    • 今後もピアサポーターと専門職との協働が求められる。
  • ピアサポートの担い手を教育する仕組みも作りたい。(スーパービジョン
    • ピアサポーターになった後の支援も必須である。
    • ピアサポーターの専門職化にもつながる。
  • 滋賀県だけでなく、国にも働き掛けたい。

このグループワークを通じて、ピアサポートの可能性に対する期待と同時に、それを支える仕組みや意識の変化が求められていることが改めて共有された。

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