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自立支援医療制度(精神通院医療)の解説①―医療費負担が軽くなる制度の概要

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自立支援医療制度(精神通院医療)とは

自立支援医療制度の概要

自立支援医療制度は、2006年(平成18年)施行の障害者自立支援法(現在の障害者総合支援法)に基づき創設された制度で、厚生労働省(発行年不明c)は、以下のように説明している。

自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jiritsu/gaiyo.html

この制度の対象者は、以下の3つである。(前掲書)

  • 精神通院医療:精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者
  • 更生医療:身体障害者福祉法に基づき身体障害者手帳の交付を受けた者で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳以上)
  • 育成医療:身体に障害を有する児童で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳未満)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jiritsu/gaiyo.html

つまり、自立支援医療制度は、精神疾患・精神障害を含む心身に何らかの障害のある人が利用でき、公的健康保険利用時の自己負担(多くは3割負担)を軽減する。

自立支援医療制度の対象となる方は、継続した治療が必要になることが多く、医療費が高額になりやすい傾向がある。そのため、医療費負担の軽減のためにこの制度が設けられている。

次項からは、上記3つのうち、精神通院医療の部分を詳しく解説する。

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自立支援医療制度(精神通院医療)について

精神通院医療の概要

自立支援医療制度のうち、精神通院医療は、厚生労働省(発行年不明b)がその概要を以下のように説明している。

精神通院医療は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(筆者注:精神保健福祉法)第5条に規定する統合失調症、精神作用物質による急性中毒、その他の精神疾患(てんかんを含む。)を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する病状にある者に対し、その通院医療に係る自立支援医療費の支給を行うものです。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html

要するに、自立支援医療制度(精神通院医療)は、法律で定める各種精神疾患を有する者で、精神科心療内科への通院治療を継続する必要がある場合に、その通院にかかる医療費を助成する。

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自立支援医療制度(精神通院医療)の適用範囲

自立支援医療(精神通院医療)が利用できる範囲は、「精神通院医療の範囲」として、次のように明記されている。(厚生労働省 発行年不明b)

精神障害及び当該精神障害に起因して生じた病態に対して病院又は診療所に入院しないで行われる医療(通院医療)です。

症状が殆ど消失している患者であっても、軽快状態を維持し、再発を予防するためになお通院治療を続ける必要がある場合も対象となります。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html

ここから、適用範囲は以下のようにまとめられる。

  • 精神疾患や、その精神疾患に関連する病状に対して利用できる。
  • 精神科心療内科の病院・診療所に「入院しないで」受ける精神医療が対象となる。
    • 例えば、外来診療・処方薬・デイケア・訪問看護
  • 病状が良くなった後も、その状態を維持し再発を防ぐために必要な通院治療にも利用可能。

自立支援医療制度は、かかりつけの精神科・心療内科への通院だけでなく、デイケア訪問看護にも利用できることが特徴である。それと、調子がいったん良くなった後も、定期的な通院・継続した服薬を要する病気・障害にも対応する。

この制度には、精神障害者保健福祉手帳障害年金のような「最低通院期間」のようなものは設けられていない。精神科・心療内科への継続した通院治療を要する場合であれば、制度上は通院開始後早期に利用申請できる。

次のような場合には、自立支援医療制度(精神通院医療)は適用されない。

  • 精神科病院での「入院」治療
    • 「入院」は対象外である。
  • 精神医療とは関係ない病気の治療
    • 風邪や花粉症といった精神疾患と関連のない病気には利用できない。
  • 公的健康保険が適用されない治療
    • 例えば自費で利用するカウンセリングには適用されない。
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自立支援医療(精神通院医療)の対象となる精神疾患

「自立支援医療(精神通院医療)について」(厚生労働省:1)には、「対象となる方」として、以下の疾患名が書かれている。

  • 統合失調症
  • うつ病、躁うつ病(筆者注:双極症・双極性障害)などの気分障害
  • 薬物などの精神作用物質による急性中毒又はその依存症(筆者注:薬物中毒やアルコール依存症など)
  • PTSDなどのストレス関連障害や、パニック障害などの不安障害
  • 知的障害、心理的発達の障害(筆者注:発達障害・神経発達症)
  • アルツハイマー病型認知症、血管型認知症
  • てんかん
https://www.mhlw.go.jp/content/001507767.pdf

ここには、一般の方がよく思いつくような精神疾患だけでなく、知的障害や、発達障害・神経発達症認知症、精神作用物質の依存症も含まれる。自立支援医療制度は、これらの疾患・障害でも利用できる。

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自立支援医療(精神通院医療)利用時の医療費負担

自立支援医療の患者負担の基本的な枠組み
出典:https://www.mhlw.go.jp/content/001507765.pdf ※筆者が画像に変換

医療費負担について、自立支援医療制度が適用されると、多くの場合が「3割負担」であるところ、「1割負担」に軽減される。それに加え、世帯の所得に応じた「1か月あたりの負担上限額」が設定される。

また、公的医療保険の高額療養費の支給状況や、病名、医師の判断に応じて、月ごとの負担上限額がさらに引き下げられる場合がある。「重度かつ継続」

お住いの自治体によっては、国の自立支援医療制度に加えて、自治体独自の医療費助成制度があわせて利用できる。その場合、医療費負担がさらに軽減される。ただし自治体ごとに利用条件が設定されている。詳しくはお住いの自治体にご確認いただきたい。

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自立支援医療制度(精神通院医療)の利用について

自立支援医療制度(精神通院医療)を新たに利用する場合は、申請書・診断書などの必要書類を揃え、お住まいの市町村の担当窓口(障害福祉担当課など)に申請する。

申請後しばらくすると、「受給者証」などの書類が届く。それらを精神科・心療内科などで提示する。

なお、受給者証の有効期限は原則1年であり、更新できる。また、「受給者証」に記載の医療機関等に限り利用できる。

自立支援医療制度の一般的な申請方法や、よくある疑問については、今後別の記事で詳しく取り上げる予定である。

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