終わりに
ピアサポートの有意義さ
ピアサポーターは福祉や医療の専門職とはまた違った見方・立場で対象者を支援できる。特に「当事者しか持たない経験」や「同じ当事者という立場」は、少なくとも健常者の福祉専門職にはない。
それによって実際に支援を受ける障害当事者の思いを大事にできることもある。ピアサポートの取り組みは、「当事者主体」や「アドボカシー(代弁)」にもつながるのではないだろうか。
最後に
私はピアサポートについて、私が取り組み始めた10年ほど前(2014年ごろ)よりは確かに前進したように感じている。特に公的な研修制度ができ、この研修を実施する自治体が増えたことは大きい。
私は障害者ピアサポート研修の受講後に、研修を修了したピアサポーターの活躍の場がより増えると良いと考えている。ただしそれはボランティアではなく有償で雇用されることが条件である。
そのためにはまず障害者ピアサポート研修の修了が、障害福祉サービス報酬の加算対象になることをより積極的に活用したい。
それと障害者ピアサポート研修やピアサポーター・ピアスタッフの認知度をより向上させたい。認知度向上のためには、今後もピアサポーター・ピアスタッフがより一致団結して地道に業務に取り組む必要があるだろう。
最後にこの取り組みに資すると思われる団体・Webサイトをいくつか紹介して、記事を終える。
日本ピアスタッフ協会
精神に困難がある人たちは、互いに支え合うことで、リカバリーしていくと言われています。 すでに、ピアとして仕事をしている人たち、仕事をした経験のある人たちが集まれる団体を設立しました。
ピアスタッフの為の情報サイト【しっぷろ】トップページ
日本でも近年増えている精神保健医療福祉の場で働くピアスタッフ、ピアサポーターの為の情報サイト【しっぷろ(ピアスタッフについて知ってこ!ぷろじぇくと)】です。当事者、ピアスタッフは勿論、各種支援職の皆様のヒントも沢山!
日本メンタルヘルス ピアサポート専門員研修機構
人生の途中で精神疾患になった時は、まるで目の前に高くそそり立つ山に、経験もないのに登れと言われているようなものです。そこで、山岳ガイドと同じように、ピアがサポートすることで、将来の姿を予測できる良きモデルとなり、見通しが立ち安心できます。こ...
COMHBO地域精神保健福祉機構
精神障害をもつ人たちが主体的に生きて行くことができる社会のしくみをつくりたい。NPO法人地域精神保健福祉機構コンボは、地域で活動するさまざまな人たちと連携し、科学的に根拠のあるサービスの普及に貢献します。また、メンタルヘルスや精神障害をもつ...
京都滋賀メンタルヘルスを考える会(準備会) 第2回対面ミーティングに参加して
「京都滋賀メンタルヘルスを考える会(準備会)」の概要・これまでの活動と、2024年2月3日に開催された第2回対面ミーティングのリポート
【精神科・心療内科】主治医とのより良いコミュニケーションの取り方(+α)【診察時】
筆者の実体験を基にした主治医との上手なコミュニケーションの取り方について(特に精神科・心療内科)
【前編】発達障害者・精神障害者の精神保健福祉士国家資格の取得→取得前後の難しさ
発達障害者や精神障害者が精神保健福祉士の国家資格を取得する際に事前に考えておかないといけないこと。資格取得前後にある難しさについて。
【後編】発達障害者・精神障害者の精神保健福祉士国家資格の取得-取得を検討できる場合とまとめ
発達障害者や精神障害者が精神保健福祉士の国家資格取得を検討できるケースや、資格取得後に場合によっては働くことの困難さがあること、それと話のまとめ。
【障害者福祉】私が福祉の仕事をして良かったと思うこと【作業所】
私自身が福祉施設に勤めて良かったことのまとめ
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