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【障害者】「ピアサポート」とは-私の経験を踏まえて【難病】

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ピアサポートとは何か

ピアサポートの概要について

ピアサポートの定義は、令和3年度の厚生労働省障害者総合福祉推進事業「障害者ピアサポート研修における講師の養成のための研修カリキュラムの効果測定及びガイドブックの開発」においてまとめられた「基礎研修テキスト」(社会福祉法人豊芯会 2022)に以下のように記載されている。

ピア(peer) とは、日本語では「同じ立場にある仲間」という意味です。ですから、ピアサポートとは、同じ立場にある・同じ課題に直面している仲間としての支えあいということになります。つまり、障害領域のピアサポートとは障害のある人生に直面し、同じ立場や課題を経験してきたことを活かして、仲間として支えることを指します。そして、ピアサポートの有効性を活かす実践をしている人をピアサポーターと呼んでいます。

社会福祉法人豊芯会(2022)「基礎研修テキスト 改訂版 vol.1」(2024年5月20日アクセス)3ページ
https://www.mhlw.go.jp/content/000998693.pdf

つまりピアサポートは、いわば「同じ立場の・同じ経験をした仲間同士の支え合い」である。このピアサポートを実際に行う人を「ピアサポーター」と呼ぶ。

なおピアサポート自体は障害者や難病患者の支援の分野だけに限らない。実際に学校教育の現場や子育ての領域などでも行われている。ただしこの記事では障害者支援(特に精神障害・発達障害)の分野に絞って扱う。

参考文献
  • 社会福祉法人豊芯会(2022)「基礎研修テキスト 改訂版 vol.1」(2024年5月20日アクセス)
    https://www.mhlw.go.jp/content/000998693.pdf
    ※令和3年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業 障害者ピアサポート研修における講師の養成のための研修カリキュラムの効果測定及びガイドブックの開発

ピアサポートを実際に行うためには

障害当事者が実際にピアサポートに取り組もうとする場合、今のところ2通りのルートがあると私は考えている。

地域の福祉施設などで活動している障害の当事者会やピアサポートグループに参加する

このルートは、後で述べる障害者ピアサポート研修が広まる以前から存在し、この研修よりは気軽に参加できると思われる。ピアサポートをよく分からない人・あまり慣れていない人にとっては、ピアサポートの雰囲気を知るのに適している。

もちろんグループに応じた特色はある。グループによってやり方が様々である。専門職者と協調して活動するところがあれば、専門職者が原則として介入しない「セルフヘルプグループ」として活動するところもある。

ただしどちらの形態でも、メインは「当事者同士の支え合い」である。ピアサポートの要素はあると思われる。

都道府県や政令指定都市が行う障害者ピアサポート研修に参加する

このルートは各都道府県等で近年行われるようになった障害者ピアサポート研修に参加するルートである。私自身も令和5年度(2023年度)に地元の自治体が主催して行ったこの研修(基礎研修・専門研修)を受講した。

この障害者ピアサポート研修に参加することで、ピアサポートの成り立ちや仕組みなど、必要な事項をある程度は学べると思われる。

ただし初めての人にとっては、研修で学習する内容のレベルが高い。私個人は過去に福祉の勉強をしていたので、復習感覚で受講できた。しかし障害福祉制度・サービスに関する部分など、初学者にとっては結構難しい内容が一部含まれていた。

障害者ピアサポート研修を受けるメリットは、現在(2024年5月時点)のところそれほど大きくはないと私は感じている。

ただし障害福祉サービス事業所がこの研修の修了者を雇用すると、障害福祉サービス報酬において、「ピアサポート体制加算」または「ピアサポート実施加算」の対象となる場合がある。(厚生労働省 発行年不明)

つまりピアサポーターの求人を出す障害福祉サービス事業所にとっては、これらの加算を取るために、障害者ピアサポート研修を修了済みであること(または修了見込みがあること)を応募要件にしている。

障害者福祉の現場で無償のボランティアではなく「有償の職員として」ピアサポートに取り組もうとする場合、このような障害者ピアサポート研修修了者対象の求人が増加すれば、障害当事者にとってこの研修を受講するメリットが大きくなる。

参考文献

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