実際に私が就労継続支援B型事業で働いて感じたこと
ステップアップに向けた訓練的な取り組みもある
就労継続支援B型事業所は、雇用契約に基づいた勤務が困難な人にとっての「受け皿」や「居場所」といった要素がある。ただし利用者の中には就労継続支援A型や一般企業に「ステップアップ」できそうな人もいる。
実際私が勤めていたB型事業の利用者の中には、一般企業で働きたいという希望を持つ人もいた。そのような思いを持つ人に対して、私を含めた職員は
- 「一人で現にできることは一人でやってもらう」
- 「困らない限り見守りに徹する」
など、関わり方を工夫していた。
一般企業で働く場合、就労継続支援B型事業での作業以上に、与えられた仕事を責任を持って行う必要がある。それと困った時に自ら「困った」と言えるようになることも重要だろう。要は就労継続支援B型でも利用者を今後より良い就労につなげるために訓練的なことを行うのである。
障害者に働く場を提供することの重要性
一般企業で働く人と同じように、就労継続支援B型で提供する作業も利用者にとっては立派な「仕事」である。この「仕事」を各利用者が一生懸命取り組む姿を私は毎日見てきた。
それと私は一生懸命「仕事」に取り組む利用者から助けてもらったことが何度もあった。実際私の仕事のミスを指摘してもらい、救ってもらったこともある。
利用者は「仕事」を通じて役割を与えられる。そこで
「自分が役に立てる」「感謝された」
などと感じることもある。
そこから
「生きがい」「自己肯定感」
が得られることもあるのではないか。
B型事業所を通じて社会とつながる
利用者は日々行う作業を通じて他の事業所や取引先の会社とつながる。例えば生産した自主製品を販売店に納品する際に、利用者が納品を手伝うこともあった。そうでなくても、利用者自らが生産に関わった製品が最終的に購入者の手元に渡るのである。
また他の福祉事業所と交流することもある。私が勤めていた法人は比較的規模が大きいため、法人内に事業所がいくつかある。その法人の利用者交流会が地域の体育館で行われ、利用者が運動しながら他の事業所の利用者と交流していたことを私はよく覚えている。
要するに、利用者は就労継続支援B型事業所を通じて「社会参加」できるのである。また事業所内の他の利用者との交流も一種の「社会参加」といえる。仕事中だけでなく、休憩中の会話やときどき行われるレクリエーション活動もこの「社会参加」に含まれる。
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