精神障害者運賃割引がもたらす「障害間格差」と社会参加への影響
「障害間格差」を大きく埋めるキッカケにしたい
私は今回の各鉄道事業者の発表を前向きに捉えている。細かく見ると
「単独乗車時は100kmを超えないと割引されない」ルール
など、今後改善すべき事項は確かにある。
しかしそれよりも大きいと私が感じたことは、少なくとも鉄道事業者に関しては「障害間格差」が大きく改善されるということである。
精神障害者は
「身体障害者・知的障害者なら利用できる制度・サービスが利用できない」
という状況に困ることもある。
その象徴の一つが「鉄道事業者の運賃割引」である。それが今後大きく変わることが決まったのである。
私はこの「障害間格差」をなくす流れをより強めることが非常に重要だと考えている。今回の件をそのきっかけにしたい。
幸いにもNHKなど報道各社がこの件をニュースにしている。ニュースを見て
「精神障害者はこれまで鉄道運賃の割引対象外だった」
ことを初めて知った人もいるのではないか。
「障害間格差」が残っていることを今一度社会に周知できれば、より多くの人がこの問題に関心を持ち、障害間格差解消の一助になると思われる。
一般の方を含めて社会が
「精神障害者除外はおかしい」
という雰囲気になれば理想である。
精神障害者の社会参加をもっと応援して欲しい
もともと日本の精神障害者の中には、政府の「隔離収容」ともいえる施策を基に、精神科病院に入院する者も多くいた。その弊害により、現在日本では社会的入院・長期入院が社会問題になっている。実際政府はこの問題で国際的な批判を浴びた。
その問題を解消するために、政府や地方自治体は退院支援や地域移行を進めている。
要は「なかなか社会参加できなかった」精神障害者の社会参加を進めているのだが、障害間格差の改善・解消の流れが強まれば、この精神障害者の社会参加の流れにプラスに働く。
精神障害者が抱える社会の中での「暮らしづらさ」「生きづらさ」が軽減されるのである。
私は上記の精神障害者の鉄道運賃割引開始による「障害間格差」是正の流れを活用して、精神障害者の社会参加をさらに進めて欲しいと切実に願っている。
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