患者は主治医の言葉をどう聴いたら良いのか
私の場合
私は受診の際にときどき主治医からアドバイスをもらう。例えば以下のようなアドバイスを言われた経験がある。
- 「睡眠リズムが気になるなら就寝時間よりも起床時間を意識しましょう」
- 「この薬は体調が安定しているなら自分で調節しても良いですよ」
このように生活習慣の工夫の話や薬の処方に関する話、他には治療方針の話などもある。医師は当然ながら医学的な見地に立ってこのような話をしている。ただ私は「最終的に自分が受ける治療をどうするか決めるのは自分自身」だと考えている。
私はどのように病気を治療するのか、どの薬を利用するかなど、主治医の話は大いに参考にしている。しかし主治医が提示する治療方針や処方薬について、分からないことや疑問に思うことがあれば、私は遠慮せずに質問することにしている。
それと私は「薬は少なめにしたい」「薬以外の治療法も利用したい」という希望がある。主治医が提案する治療が自らの希望と違うと感じた場合、私は理由をつけて自分の想いを率直に伝えることにしている。
実際過去に次のような話を主治医に伝えたことがある。
- 「この薬は以前服用して自分には合わなかったので、別の薬はありませんか」
- 「まずは生活習慣の見直しや工夫で可能な限り何とかしたい」
それに対して、主治医から提案の理由について私が納得できる形で説明を受けたこともあるし、私の希望に配慮した提案がなされることもあった。
- 「一旦今の薬の量を調整します。それでも体調が安定しないなら薬の変更を検討します」
- 「早起きのために、目覚まし時計をベッドから遠い位置に置き、ベッドから出ないとアラームが止められないようにしましょう」
私はこのようなスタンスでかかりつけの心療内科に継続して通院している。主治医との意思疎通は良好であり、現在まで心身ともに安定した状態を10年程度は維持できている。
何から何まで主治医に従う必要はない
上記の自らの経験を踏まえると、私は自分が受ける治療に関しても自己決定できることが大事だと考える。そもそも誰もが「自分のことを自分で決める権利」がある。いわゆる「自己決定権」のことである。
この観点から考えると、患者側は医療のプロである医師の意見や指示は尊重しつつも、自分の意見や希望があれば伝えれば良い。それと気になることや分からないことは質問すれば良い。さらに言えば、治療に関して自分の想いに反する時は反対を表明することもできる。
真っ当な医師なら、患者の意見や希望に対して真摯に対応するだろう。可能な限り意見や希望を治療方針に反映させるだろうし、それが難しければその理由を分かりやすく説明するはずである。
患者の疑問や不明点は回答するだろうし、治療を受ける患者本人が反対する治療法を医師は強要しないと思われる。
要は医師・患者両者ともに納得・合意できる形の治療が望ましい。患者側からすると、この形の方が「医師から治療を押し付けられる」よりも納得して治療を受けられるのは明らかである。
当然治療を受けることによって患者が感じる負担やストレスの感じ方も変化する。自分が納得して受ける治療の方が安心にもつながるはずである。
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