私見:鉄道事業者だけでなく国ももっと動くべきでは?
「鉄道事業者の自主的な取り組み」で本当に良いのか?
政府は鉄道の障害者運賃割引について、あくまでも「鉄道会社の自主的な取り組み」としている。だがそれを繰り返すばかりでは障害者運賃割引制度の改善はなかなか進まない。現に「精神障害者保健福祉手帳」制度が誕生した1995年から数えてももうすぐ30年になる。
この話は「社会的な要請」として国が本腰を上げて、
「精神障害者を含めた全ての障害者が単独乗車を含めて初乗りから半額」
を制度化すべきだと考える。
一方鉄道事業者は公営交通ならともかく、営利目的で運営する民間の事業者にとっては、できればこれ以上の運賃割引はしたくない。障害者運賃割引を拡充すると利益が減るので、株主から批判が出てもおかしくないからである。
私はこの鉄道事業者側の事情は理解できるものの、やはり鉄道事業者は「公共交通機関」としてこの「社会的な要請」に応える必要がある。
特に「身体・知的障害者は割引するが、精神障害者には割引しません」という理屈はどう考えてもおかしい。
- 「精神障害者差別」
- 「障害間格差の放置」
という声が上がるのは不思議ではない。実際精神障害者の運賃割引に関しては、すでに国会にも請願が出され採択されている。
それと現在は障害者に必ず介助者が付き添う前提の社会ではない。障害があっても介助者なしで行動できる人もいる。国も鉄道事業者も障害者が一人でも外出しやすい社会づくりにより貢献して欲しいと思う。
では今後鉄道の「障害者運賃割引」拡充のためにどうすべきか
私は厚生労働省が「精神障害者の運賃割引に関する通知」を出すべきだと考える。それと「単独乗車・初乗りから運賃を割引する」内容が含まれた身体・知的障害者の運賃割引についての通知を新たに出すべきだと考える。
その前提として、鉄道事業者・障害当事者・国の三者で会議する場を設ける必要がある。鉄道事業者側の事情も配慮しつつ、「障害者運賃割引の拡大」に向けて話を進めるべきである。
今後は障害者運賃割引についてもう少し政府が鉄道事業者と協力して取り組むことと、鉄道事業者に大幅な追加負担が生じない形にできれば、鉄道事業者側も反対しないのではないか。
もし障害者運賃割引の拡充により鉄道事業者に大幅な追加負担が生じる場合は、国が公的に補助すれば良い。例えば上記の三者会議と国会で議論した上で、「障害者運賃割引助成金制度」などといったものを作る。もちろん税金を利用する形になるので国会での議論は必須だろう。
この助成金制度の利用条件の中に、
「精神障害者を含めたすべての障害者に対して、単独乗車も含めて初乗り運賃から半額にする」
ことを含めれば良い。この障害者運賃割引で生じた減収分は、鉄道事業者がその根拠となるデータを国に提出することで、一定程度公的に助成金を受けられる形にする。
このような助成金制度は、すでにある「鉄道駅バリアフリー料金制度」と同様に作れるのではないか。このバリアフリー料金制度と関連させて、障害者運賃割引の割引原資にこの助成金制度で上乗せされた運賃を充てることも検討の余地がある。
いずれにしても、この「精神障害者運賃割引」と「単独乗車・初乗りから運賃割引」の件は、政府が本気で動けば比較的早期に解決できる話だと私は考える。障害者が不利益をこうむり続ける形は好ましくないのではないか。

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